蚊に刺されると腫れるのはアレルギー?!

アレルギー科
The boy is bitten by mosquitoes on a dark background. On the blackboard with chalk painted mosquitoes.
ケイジ理事長
ケイジ理事長

気温もグングン上がり、いよいよ夏らしくなってきました。

まもなく大阪も梅雨入りする見込みですが、この前後で増えてくるのが「蚊」です。

小児科の外来でも夏場には「お外で遊んでいたら、たくさん虫に刺されました〜」と小さなお子さんたちがよく受診されるようになります。

どうして蚊は人を刺すのか?

実は動物の血を吸うのはメスだけで、オスは樹液などを吸って栄養にしています。

自分が生きていくだけなら樹液で十分栄養は賄えるのですが、産卵のためにはさまざまな栄養が必要になるため、動物の血液を吸うようになったとされています。

蚊が刺すのは人だけではなく、あらゆる動物を刺します。

蚊は進化の過程で二酸化炭素に反応して寄っていくようになったので、本能に従って「そこにたまたま居た動物の血を吸った」というだけなんですね。

人以外の動物を狙いに行ってもせいぜい尻尾で追い払われる程度で殺されることはほとんどありませんが、人は反撃してくるので「他の動物狙ったらいいのに〜」と思ってしまいますね。

どうして刺されると腫れるのか?

単刀直入にいうと、蚊の唾液に対するアレルギーなんです。

血液というのは、血管から外に出ると固まる性質があります(凝固といいます)。

蚊が細い針で血を吸ったとすると、ヘタをするとその針の中で血が固まってしまう可能性があります。

イメージするならストローの中でシェイクが固まった感じでしょうか。そうするともう血液を飲めなくなって死んでしまいます。

そんな状態を避けるために、蚊は血液を吸う前に、血液を固まらなくする成分を含んだ唾液を刺した部位に注入するんですね。なんと成分は20種類以上も混じっているそうです。

血が固まりにくくなったら、その後1〜2分かけてゆっくり血液を吸うんです。

で、実はこの唾液の成分がアレルギーを起こしやすいんですね。

蚊のアレルギーには2種類ある

蚊アレルギーには、大きく分けて2つのタイプがあります。

  • 即時型反応:蚊に刺されるとすぐにかゆくなり、赤く腫れるタイプ
  • 遅延型反応:刺されてもすぐには反応がなく、翌日になって痒くなり、赤く腫れて水ぶくれになったりするタイプ

刺されやすい子とそうでない子の差は?

さまざまな研究から、「蚊に狙われやすい条件」というのがわかっています。

  • 二酸化炭素をたくさん出す
  • 体温が高め(37度前後)
  • 汗をよくかく(特に足)
  • 動いている
  • 色の濃い服を着ている

他には血液型がO型が好まれるという話なんかもありますが、賛否両論です。

ただし、これは一般論です。

コドモがたくさん集まっているところで、特定の誰かだけを狙いにくるということは考えにくいので、実際にはアレルギー反応を起こした子だけが「刺された」と感じ、刺されてもアレルギーがない子は「刺されていない」と勘違いしているだけなのかもしれません。

腫れや痒みが強い場合は

症状が強い、もしくは長引く場合は積極的に治療してあげる必要があります。

治療の選択肢は、

  • 抗ヒスタミン薬の塗り薬
  • ステロイドの塗り薬
  • 抗ヒスタミン薬の内服

などがあります。

塗り薬が治療のメインとなりますが、毎日のように刺されては腫れてしまうようなケースでは、蚊が増える期間中は抗ヒスタミン薬の内服を続けることもあります。

程度によって使い分けますので、虫刺されがひどいお子さんは今のうちからかかりつけ医と相談してみましょう。

ケイジ理事長
ケイジ理事長

いかがでしたでしょうか?

蚊の唾液が体に入ると思うと背筋がゾッとしますね。

痒みで死ぬことはありませんが、あまり痒みが強いと眠れなくなったり、ひどい場合は鬱っぽくなる場合もあります。

ある程度わかっていれば防げる症状ですので、きちんと対処して楽しい夏を過ごさせてあげたいものですね。

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