みなさん、こんにちは!
さて、いよいよ記念すべき投稿1回目です。
今日取り上げるのは「感染性胃腸炎」
堺市内のみならず、全国的に流行しているようですね🤮
家庭内でのケアなども含めて解説します。では行ってみましょう👍
そもそもどんな病気?
感染性胃腸炎とは、その名の通りバイキンによって感染する胃腸炎です。
バイキンにはウイルスと細菌がありますが、一般的に感染性胃腸炎と行った場合は「ウイルス性」の方を指すことが多いでしょう。
じゃあ細菌性の方はどんなのかというと、大腸菌やカンピロバクタ、サルモネラなどの細菌が起こすのですが、多くのものは人から人へというよりは汚染された食物から感染することが多いので、「食中毒」と呼ばれることが多いです☝️
どちらにしてもバイキンが口に入って、胃や腸で増殖することによって、嘔吐や下痢を引き起こします。
実は嘔吐や下痢というのは、人間の体に備わっている防御反応です。
ワルモノが体内に侵入したときに、上から出すのが嘔吐で、下から出すのが下痢なわけですね。
なので吐物や下痢にはバイキンがイッパイ。吐物の処理やお尻を拭いた後には念入りに手洗いや消毒をしないと、ママ・パパがもらったり、家族に広めたりしてしまいます。
どうやって診断するの?
診断はそれほど難しくありません👌
周囲で胃腸炎が流行していて、コドモが嘔吐し始めたら容易に疑えます。しばらくして下痢が始まればもう診断は決まったようなものです。
どんなバイキンが原因なのかは気になるところですが、まずは細菌性かウイルス性かを丁寧な問診で推定します。
細菌性腸炎の特徴は
- 高熱、強い腹痛、血便を伴うことがある。
- 嘔吐することは少ない。
- 下痢は腐敗臭がすることがある。
- ナマモノや加熱の不十分な食事を摂った歴がある。
一方、ウイルス性の特徴は
- 嘔吐を繰り返すことがある。
- 熱は出ても1日前後。
- 周囲で嘔吐している人が多発している。
- 下痢は嘔吐に少し遅れて出現し、酸っぱい臭いがする。時々白色に。
というような差があります(もちろん簡単に判別できないケースもあります)
細菌性を疑った場合には、どんな細菌が便の中にいるのか、培養検査を行います。
これは検査会社に出す検査で、結果は早くても4〜5日かかります。
次に、ウイルス性を疑った場合ですが、こちらはあまり積極的に検査をする必要はありません。
(主治医の方針によって、積極的に検査する医療機関もあります)
なぜかというと「どのウイルスでも治療法は大して変わらないから」です。
細菌性の方は種類によって抗菌薬の効き方が変わってきますが、ウイルス性の方はそもそもウイルスを殺すお薬というのは無いので、コストをかけて調べてみても、治療にはあまり影響ないので検査をしないことが多いんですね。
時々、ママ・パパが医療関係や飲食関係のお仕事をされていて、「家族がノロウイルスに感染すると、仕事を休まないといけない」みたいなご相談はあります。
そういう場合は例外的に便のウイルス検査をすることもありますが、ノロウイルスの検査は健康保険でできるのは3歳未満限定です。3歳以上の場合は自費での検査になります(自費検査を取り扱っていない医療機関もありますので、事前に確認してくださいね😉)。
治療は?
基本的には胃腸炎は「対症療法」です。
嘔吐が強ければ、制吐剤(いわゆる吐き気止め)を処方します。
制吐剤には飲み薬と坐薬がありますが、嘔吐しているときに薬を飲んでも効果が乏しいので、坐薬で処方することが多いです。
下痢に対しては整腸剤を処方します。
整腸剤とは、乳酸菌や酪酸菌などの善玉菌を固めたお薬で、腸内環境を整えることで下痢の改善を促します。ただし、整腸剤は下痢止めではありませんので、すぐに下痢が止まるわけではありませんのでお気をつけください。
なお「下痢止め」というお薬もあるのですが、毒性の強いバイキンだった場合、下痢を止めてしまうことで却って体内にバイキンを留めてしまうことになることがあるので、特に小児ではあまり使わなくなりました。
細菌性腸炎の場合は、便培養の結果、必要であれば抗菌薬(抗生物質)を処方することがありますが、はじめから処方することは減ってきました。不要なケースに抗菌薬を処方することで、善玉菌もダメージを受けて、却って下痢が長引いたりすることもあるからです。
ホームケアのポイント
自宅での管理で大事なことは「食事療法」と「感染予防」です。
食事は「消化の良いもの」を心がけましょう。
「消化の良いもの」と言ってもなかなか難しいのですが、「脂っこいものや繊維質の多いものは避ける」という感じでシンプルに考えていただいてOKです👌
以前に旧ブログで取り上げたことがあるので、リンクを貼っておきます↓
https://ameblo.jp/waffle-rijicho/entry-12705988903.html
さて、次は感染予防について。
手洗いは感染予防の基本中のキホンです👏
これは譲れません😆
石鹸をつかって、時間をかけてゴシゴシあらいましょう。
どうしても水が使えないシチュエーションでは、コロナで普及したアルコール消毒でも良いのですが、ノロウイルスに対してはアルコールは消毒効果が低い(ゼロではありませんが)ので、注意が必要です。
ノロウイルスが付着したものなどは、塩素系の消毒薬を使用した方が消毒効果は高いとされています。
消毒専用の製品を購入しても良いですが、どこのご家庭にでもあるハイターを活用することも可能です。
500mlのペットボトルを使うと便利です。
ペットボトルのキャップ1杯のハイターをボトルに入れ(約5ml)、それに水を加えて満タンにするとちょうど良い濃度の消毒薬ができます。
簡単にできますのでお試しください。ただし注意点もあります。
- 時間と共に分解されて効果が落ちるので、毎日作り替えましょう。
- コドモが間違って飲まないように、ラベルは剥がして「しょうどく」「のむな」などと書いておきましょう。
- 塩素系は金属を腐食させたり、衣類を脱色してしまう可能性があります。
- 皮膚につくとヌルヌルするのでグローブなどを着用しましょう。
登園・登校の基準は?
原因菌・ウイルスによりますが、おおむね「食欲が回復し」「下痢が治れば」登園、登校はOKと考えて良いでしょう👌
「下痢が治る」という言葉が解釈の分かれるところですが、下痢と軟便の境目は非常に難しいものがあります。
これも旧ブログで取り上げていますので、そちらをご覧ください↓
https://ameblo.jp/waffle-rijicho/entry-12679131780.html
登園許可証(治癒証明)は基本的には(法的には)不要ですが、園や学校で独自に決めておられるケースもありますので、通っておられる施設にご確認ください。
いかがでしたでしょうか?
初記事でしたので、ちょっと力が入りすぎたかも😅
引き続き、ママ・パパ、そしてコドモに関わる職種の方に役に立つ情報をお届けしていきます👍
ご贔屓にお願いしますね〜👋
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