日本人なら誰でも聞いたことがある病気「水ぼうそう」。
正式名称を「水痘」と言います。
最近はワクチンのおかげで昔のように大流行することはなくなってきましたが、時々保育園や幼稚園で散発的に発生しますね。
元気なコドモにとっては、ブツブツが出来て治るだけの病気ですが、ちょっと気をつけないといけないポイントもいくつかあります。
では解説していきましょう👍
どんな病気?
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の感染によって起こります。
ウイルスは非常に軽く空気中を舞うので、それを吸い込むことで感染が成立します(空気感染)。
ウイルスが体に入ると、2週間程度の潜伏期を経て発症します。
発熱するケースもありますが、それほど頻度は高くありません。
顔や頭から始まり、1日程度で全身に発疹(赤い盛り上り)が拡がります。
「朝1つ見つけたら、夕方には全身に拡がる」というほど急にブツブツが増えるので、みなさんびっくりされます。のどに同じようなブツブツが出来て痛みを訴える子もいます。
ブツブツは徐々に大きくなり、水膨れになって、はじけてカサブタになって3日程度で治っていきます。
全ての水疱が治るまでには約1週間かかります。
なお、2014年10月から水痘ワクチンは定期接種のワクチンとなりました。
1歳になったらできるだけ早く1回目のワクチンを受けましょう。
2回目は1回目から6ヶ月程度開けて接種するのが標準的です。
どうやって診断するの?
上記のような発疹が急激に出現すれば、見た目で容易に診断できます。
ただし、ワクチン接種が2回完了してある程度免疫ができている時に感染した場合、発疹が水疱にまで至らず、赤い盛り上がり程度で済んでしまう場合があります。
その場合は、発疹を綿棒で擦ってウイルスを採取して検査する迅速検査キットを用いて判断することがあります。
治療は?
抗ウイルス薬の内服と、カチリという塗り薬を併用します。
抗ウイルス薬(アシクロビルorバラシクロビル)は、発症から48時間以内に内服することで発疹を軽症化させる効果があります。48時間を越えてしまった場合は効果は落ちますが、重症度を加味して主治医と相談しましょう。
なお軽症の場合は抗ウイルス薬を内服しなくても大半は自然に治癒する病気です。
ホームケアのポイント
基本的にはワクチンで防げる病気(VPD:Vaccine Preventable Disease)ですが、罹ってしまったら安静にして治るのを待つのみです。
痒みが強くて引っ掻いてしまうと、場合によってはトビヒ(伝染性膿痂疹)を合併することもあります。発疹がジュクジュクと拡大するようならかかりつけ医を受診しましょう。
水痘に感染すると免疫が一時的に低下するため、感染後4週間は他のワクチンを控える必要があります。
保育園・幼稚園・学校に関しては、発疹が全てカサブタになるまで行けません。
すべてカサブタになったらかかりつけ医を再診し、登園・登校許可をもらいましょう。
(通常は1週間程度)
ただし水疱化しない軽症の場合はカサブタができない場合もあるので、その場合もかかりつけ医と相談して登園・登校を相談してください。
今だに時々「水ぼうそうはかかった方が良い」という迷信が聞こえてきますが、絶対にかからない方が良い病気です。
もし小さい頃に2回のワクチンが完了していない場合は、ぜひ接種をお勧めします。
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