大阪府の無料コロナ検査について解説。

社会学部
ケイジ理事長
ケイジ理事長

令和3年12月23日から、大阪府が無料の新型コロナウイルス検査事業を開始しました。
全国に先駆けて開始することは大阪府民の安全・安心にとって素晴らしいことですが、ニュースなどでは報道されていない注意点などもいくつかありますので、少し詳しく解説したいと思います。

そもそもどういう事業なの?

新型コロナウイルスの感染拡大防止と、経済の円滑な再開を目的として、政府は「ワクチン・検査パッケージ」という制度を作りました。

ワクチンに関しては接種を希望する国民の大半が2回の接種を終える状況になってきましたが、

  • ワクチンを打ちたくない人
  • 体質などの理由で打ちたうても打てない人

は当然存在するので、そういう人でも検査を受けることで公的なサービスや飲食店やレジャーなどでの優遇措置を受けられるようにしようというのがワクチン・検査パッケージの趣旨です。

しかしながら、この制度には「費用の問題」が指摘されていました。

ワクチンは希望すれば無料で受けられるのに、PCRなどの検査は症状がある方以外は全額自己負担(自費)だったからです。

価格や質は様々ですが、4000円〜30000円程度かかりました。

飲食店やレジャーで優遇を受けるために高額な検査費用がかかるとなると、誰も利用しませんよね。

そこで「経済を回すために検査費用を府が負担しよう!」というのが今回の事業の狙いです。

どんな人が検査を受けられるの?

ニュースなどでは詳細は語られていませんでしたが、誰でも検査を受けられるわけではありません。

対象者は下記の通りです。

  • 無症状であること
  • 直近2週間に陽性者と接触していないこと
  • 健康上の理由や年齢の問題によりワクチンを打っていない者

ということになっています。

これは、現時点(2021年12月23日)の状況での設定です

再び緊急事態宣言が発令されるなど感染が拡大した時には、ワクチンの有無は問わず「感染しているか不安な時」には無料で受けられるようになる模様です。


※2021/12/24追記
2021/12/24から2022/1/31まで、ワクチンの有無に関わらず無料で受けられるようになりました!

ただし、いずれの場合にも無症状であることが大前提です。

発熱や風邪症状がある場合はこの無料検査は受けることができませんので、医療機関を受診する必要があります。

大阪府がわかりやすいフローチャートを用意してくれていますので、ぜひご覧ください↓

コドモは無料検査を受けられるの?

現時点では12歳未満のコドモはワクチンの接種対象になっていないので、検査をうける対象にはなります。

では、下は何歳からうけられるのでしょうか?

実はワクチン検査パッケージの年齢条件にその答えがあります。

ワクチン検査パッケージは「未就学児(概ね6歳未満)については、同居の親等の監護者が同伴する場合には検査は不要」ということになっています。(もちろんこの「親等」はワクチン接種および検査による陰性証明が必要です)

いくら「可愛い子には旅をさせろ」といっても、未就学児が一人で動くことは通常あり得ないので、実質的には6歳未満に検査は不要ということになります。

つまりこの無料検査は6歳以上が対象ということですね。

ただし、1点気をつけないといけないことがあります。

それは、この検査が唾液による検査のみだということ。

一般的には6歳以上のお子さんであれば容器に唾液を出すことは可能なことが多いですが、私が外来診療で検査をしたお子さんの中には、うまく唾液を出せないお子さんもおられました。

保険診療でコロナウイルスのPCR検査をするときは、唾液が出せない子には鼻腔検査(鼻に綿棒をいれて検体を採取)するのですが、この無料PCR検査は鼻腔での検査はできません。
(医療機関がこの無料検査事業を行なっていれば、検査が可能な場合もあるようです)

これは意外な盲点ですので、ご注意いただければと思います。

その他の注意事項

これまでに自費でPCR検査を受けたことがあるという方、結構多いと思います。

最近はドラッグストアやネット上でキットが販売されていて、唾液を容器に入れて郵送したらメールで結果を教えてくれるサービスなども普及しており、非常に便利になっています。

しかしながら、今回の無料検査は府内に設置された検査所に出向いて、検査管理者の立ち合いのもとで唾液を採取しなければなりません

また、鼻腔検体を用いた抗原検査も、検査管理者の立ち合いのもとで検査をしなければなりませんので、従来の商業ベースの検査のように、郵送で送って結果はメール、というようにはいきません。

あと、どちらの検査にしても、免許証・マイナンバーカードなどの本人確認書類が必要です。
コドモであれば、健康保険証や学生証でもOKです。

最後に重要なご案内ですが、新型コロナウイルスの陰性証明には有効期限が設定されています。

  • PCR検査:検体採取から3日以内
  • 抗原検査:検体採取から1日以内

これはワクチン検査パッケージ制度を利用するためには大事な条件です。

この有効期限を超えると、陰性証明は無効となるので改めて検査を受けなければなりません。

また、現時点では無料検査は1ヶ月に2回までというのが原則のようです。
(正当な理由があれば3回以上でも検査はしてもらえるようですが)

まだ始まったばかりの無料検査事業ですが、今後どんどん可能な検査施設は増えてくるようです。

詳しくは大阪府のHPをご参照ください↓

無料検査事業の実施について
無料検査事業は令和5年3月31日をもって終了しました。自費検査を提供する検査機関一覧はこちら(厚生労働省ホームページ)(外部サイトを別ウインドウで開きます)無料検査事業における補助

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