コドモが夜中に急に目を覚まして大泣きする現象には「夜驚症」と「夜泣き」があります。
どちらも夜中に大泣きしてママ・パパを困らせる事態ですが、今日は夜驚症を中心に解説してみたいと思います。
そもそもどんな病気?
夜驚症は通常3〜8歳ごろに起きる睡眠障害です。
眠りについてまもない時間帯(2〜3時間)のノンレム睡眠という深い睡眠状態の時に発生します。
コドモは悲鳴を上げて怖がり、心拍数の上昇、発汗、呼吸数の上昇が見られます。
極度の不安から目覚めて大泣きし、激しくのたうち回ったり暴れたりすることもあります。
ノンレム睡眠中に覚醒してしまうため、脳の一部は眠ったままのようで、夜中に泣き叫んでいたことは本人は大概覚えていません。また、おそらく同じ理由で外界からの呼びかけや光刺激などにも改善することなく泣き続けます。
なかなか劇的な状況が続きますが、通常は数分〜10分程度で再び眠りにつくことが多いです。
夜泣きと夜驚症はどう違うの?
夜泣きも夜驚症と同様に夜中に目を覚まして大泣きする現象ですが、夜泣きは0〜2歳に多い現象です。人生で最も神経が発達する時期であり、神経が敏感になっていることが原因と考えられています。
夜驚症がノンレム睡眠という深い眠りの間に起きるのに対し、夜泣きはレム睡眠という浅い睡眠状態の時に起きます。なので、部屋を明るくしたり抱っこしてなだめてあげると目を覚まして泣き止んでくれることが多いです。
治療は?
通常はほぼ全員が積極的な治療を行わなくても自然に治癒します。
ただし、これらの症状が青年期や成人期まで長引く場合や、夜中の症状が強く本人や周囲の人間に危険が及ぶ可能性がある場合は、鎮静薬や抗不安薬、抗うつ薬などのお薬をしようするケースもあります。
ホームケアのポイント
夜驚症の症状が出たら、見守るしかありません。
夜驚症の症状が出ている間はいくらママ・パパが声をかけても、お子さんは何も反応しません。
なので、コドモが顔や体をぶつけたりしないように、壊れやすい物は片付け、周囲を安全な状態にして、症状が治まるまで見守ってあげて下さい。
もしかすると、「泣き叫ぶお子さんを放ったらかしにしているような罪悪感」を感じるかもしれませんが、夜驚症にはこれが最善の策と言えます。
また、いくら自然に治るとはいえ、毎夜毎晩夜中に起きると、ママ・パパの身体的・精神的負担も大きくなってきます。どちらか一方に任せっきりにするのではなく、ママ・パパがお互いの状態を確認しながら助け合ってコドモを見守ってあげることが大事です。
いかがでしたか?
初めてコドモの夜驚症を実際に目にしたママ・パパは大きな不安を感じますが、いずれ時間が解決してくれる病気です。安全を確保しながら見守ってあげてくださいね。
今日も最後までお読みいただいてありがとうございます。
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