ゴールデンウィークや夏休みなど、長期のお休みには車やバスなどで遠出する機会が増えますね。
せっかくの旅行、楽しみたい者ですが、乗り物酔いがあるコドモもその親も、ちょっと憂鬱なのが「乗り物酔い」です。
そもそも乗り物酔いはなぜ起きるのでしょう?
理由を知って予防と対処のコツを覚えて、少しでも楽しい旅行にしていきましょう!
そもそも「乗り物酔い」ってなぜおきるの?
「乗り物酔い」は医学的には「動揺病」とも言われます。
乗り物に乗って移動中に気分が悪くなり、ひどくなると吐き気や嘔吐に襲われることもあります。
発生しやすい乗り物は自動車やバス、小型船舶など比較的揺れが大きい乗り物ですが、電車や大型船舶(フェリーなど)でも敏感な方は起こすことがあります。
一方、揺れが多い乗り物でも、自転車では乗り物酔いはほどんど起きません。
乗り物酔いが起きるメカニズムには3段階あるとされています。
1段階目は感覚情報の入力です。
乗り物に乗っている時、脳に伝わる情報は2つあります。
流れていく景色の視覚情報が目から入り脳に伝わりますが、その際に耳の中にある三半規管という加速度や揺れ、回転などの体の位置情報も脳に伝わります。
この時に、視覚情報と体の位置情報のズレが生じると、脳は「あれ?」と違和感を感じます。これが乗り物酔いのスタートです。
よく「ドライバーは酔いにくい」と言われますが、これは自分の操作どおりに動かしているとこのズレが生じにくいからと言われています。これは自転車でも同じですね。
第2段階は、脳の「扁桃体」という部分に伝えられたズレの情報が、自律神経ネットワークによって「快適」なのか「不快」なのかを判断されます。
この時、記憶を司る「海馬(かいば)」という部分が、過去の乗り物酔いの記憶を引っ張り出してきて、その刺激が「不快なものだった」かどうかを比較します。
第3段階は、扁桃体が「不快」と判断したのち、その刺激が自律神経を興奮させてバランスを崩し、生ツバや冷や汗、吐き気などの症状が出てくると説明されています。
このように、乗り物酔いには感覚刺激を受け取る機能と、自律神経の乱れが密接に関連していますので、神経系が未熟すぎる2歳ごろまでは乗り物酔いはほとんど起きません。
早い子で3歳ごろから酔いやすくなり、通常は小学生〜高校生くらいにピークを迎えます。
20歳を超えると神経が老化して鈍感になるのと、乗り物の体験による学習により、乗り物酔いをしなくなっていきます。
乗り物酔いを予防するには
上記のような理由で乗り物酔いが発生するため、その予防には、視覚と揺れなどのズレを作らないことと、自律神経のバランスを整えることが大事ということになります。
まずは乗り物に乗る前のポイントから。
- 前日は十分な睡眠をとる
- 脂肪分の多い食事を避ける
- 適度な食事をとり、空腹を避ける
- 乗車前に排便を済ませる。
- 不安を抑えるためにも酔い止めを内服する
- 必要以上の厚着をしない
- きついネクタイやベルト、体を締め付ける下着を避ける
次に、乗ってから酔わないためのコツを。
- 読書やゲーム・スマホは厳禁。遠くの景色を眺める。
- できるだけ頭を固定させ、グラグラ動かないようにする。
- 後ろ向きの席ではなく進行方向が見える席に座る
- 気分が悪くなったら早めにシートを倒すか横になる
- リラックスして深呼吸
- 窓を開けたり、定期的に降りて外気を吸う
乗り物酔いになってしまったら
治るまで車を止めるのが良いのですが、目的地や集合時間が決まっている場合は何とかやり過ごしながら車をすすめる必要があります。
そんな時、少しでもラクに進むためのグッズをお伝えしておきましょう。
- 氷:口が痛くなるほどの冷たさで、吐き気を催す副交感神経の興奮を抑えます。
- シュガーレスガム:噛むことで脳に適度な刺激が行きます。
- 生姜を含む飲食物:ショウガの成分に酔いを抑える効果があります。ジンジャーエールやジンジャーティ、生姜の蜂蜜漬けなどが効果ありとされています。
アロマなどもリラックス効果がありますが、匂いには好き嫌いがありますので、他の同乗者には不快となることもあるので注意が必要です。
酔い止めについて
酔い止めは医療機関で処方してもらうものと、薬局で売っているものとがありますが、成分的には大きくは変わりません。
多くのものはめまいなどを抑える「抗ヒスタミン薬」と吐き気の元になる副交感神経を抑える「交感神経刺激薬」の組み合わせで作られています。
医療機関で処方される有名なお薬に「トラベルミン配合錠」というのがあります。処方薬の方がよく効くイメージがあるかもしれませんが、市販の「トラベルミン(大人用)」と全く同じ成分です。
処方薬は基本的には成人向けに作られてあります(小児でも処方は可能です)ので、錠剤しかありませんし、割ると苦味や刺激感が強めなので、小さなお子様や錠剤が飲めない場合は、キャンディ状の舐めて服用するタイプの市販薬を選ぶと良いでしょう。
いかがでしたでしょうか?
実は私も小さい頃は乗り物酔いが強いコドモでした。
対処と予防をうまく使いながら、楽しくレジャーにお出かけできるといいですね!
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