手足口病と並んで「夏かぜ」の代表選手です。
毎年保育園や幼稚園で流行します。
なかなか独特なネーミングですが、小児科では非常にポピュラーな感染症です。
どんな病気?
高熱と、喉(のど)にブツブツができる病気です。
夏〜秋に乳幼児(1〜4歳)の間で流行することが多いとされていますが、他の季節でも見られることがあります。
原因ウイルスはエンテロ属ウイルスで、その属の中の「コクサッキーウイルスA群・B群」やエコーウイルスというウイルスが原因となります。
手足口病の原因もエンテロ属ウイルスで、親戚のようなウイルスですが、細かな種類が異なります。
感染経路は唾液などによる飛沫感染がメインですが、唾液が手を介して口に入ることでうつることもあります(接触感染)。
また、便の中にもウイルスは排泄されるので、ウンチを処理した後に手をきちんと洗浄・消毒しないと感染することがあります。
症状は、「突然の高熱」と「咽頭痛」です。
咽頭痛は他のノド風邪に比べると強いことが多いです。
小さなお子様は咽頭痛を訴えることができませんが、「すごくヨダレが増えた」という変化で気づけることもあります。
どうやって診断するの?
見た目診断です。
血液検査やノドの検査で診断できるものではありません。
ノドの所見は比較的特徴的なので、上記のような症状があって、ノドをパッとみれば小児科医であれば診断は難しくありません。
治療は?
ウイルスを殺すような特別な治療はなく、対症療法といって症状を和らげてあげる治療になります。
熱や咽頭痛には、解熱鎮痛剤やノドの炎症を和らげてあげるようなお薬を処方します。
咽頭痛が強くて、食べたり飲んだりができず脱水を起こすような場合は、外来で点滴をしたり、場合によっては入院するケースもあります。
ホームケアのポイント
味の濃い食べ物や飲み物はノドにしみます。
特に酸味(スッパイ味)は激痛です。
オレンジジュースなどはスッパイのがイメージしやすいのですが、盲点はトマト(ケチャップやソースなど)で、オムライスで大泣きした、というエピソードはヘルパンギーナあるあるです。
また、上にも書きましたが、唾液や便にはウイルスがたくさん含まれているので、手が触れるところの消毒(アルコールでOK)と手洗いが重要です。
合併症としてウイルス性髄膜炎が有名です。
強い頭痛や繰り返す嘔吐がみられたら、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
保育園・幼稚園への登園は「熱が下がって、食事が普段通りに摂れるようになったら」可能となります。
基本的には自然治癒する感染症ですが、食べる・飲むができていない場合や、髄膜炎を疑わせるような症状があるときは、かかりつけ医に受診するようにしましょう。
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