暖房器具やお湯を使用する機会が増える冬場はコドモの熱傷(やけど)が増える時期です。
コドモのやけどの多くが屋内で起こっていて、パターンがとても似ています。
その分、ポイントを押さえて注意すればかなりの熱傷は防げます。
今日はそんなポイントを説明しつつ、それでも起きてしまった熱傷に対しての初期対応も解説してみたいと思います。
では行ってみましょう!!
熱傷パターン①「キッチンまわり」
料理をするときは火を使うことが多いので、キッチン台の上には熱い物が存在します。
コドモの視点から台の上は見えませんが、とても楽しそうに感じるのでしょう。
鍋の取手だったり、調理家電の電源コードなどが見えると、つかまり立ちができる年代以上のコドモたちはついつい引っ張ってしまって、熱いものが上から降ってくるという事故が起きます。
また、大人もパーフェクトではありませんので、熱々のものをこぼしてしまうことも十分あり得ます。
また、抱っこ紐やおんぶ紐などをしながら調理する時も、コドモが足や手を伸ばしてラーメンなどをひっくり返してしまうことがあります。
これは熱いものだけでなく、包丁など鋭利なものも同じで、落下によるケガも発生します。
対策としては「キッチンエリアにコドモを入れない」というのが一番です。
ベビーガード(フェンス)を使ったり、一時的には目の届くところにバウンサーやベビーサークルなどを置いて、キッチンから遠ざけるのが安全です。
熱傷パターン②「炊飯器」
これも熱傷アルアルなパターンですが、炊飯器で御飯を炊いている時にでる蒸気を触ってやけどすることが多いです。
コドモにとっては、「シューッ」と吹き出す蒸気は興味がわく対象になります。
よくキッチンに置くラックがホームセンターなどで売られていますが、上の方に電子レンジを置いて、炊飯器は下の方に配置されているものをよく見かけます。
いわゆるこういう物です↓
炊飯器の構造上、上に蓋が開くので、どうしても配置は下の方になっちゃうんですね。
で、またこの高さがつかまり立ち・伝い歩きをするコドモたちの手がちょうど届くあたりになるんです。
加湿器などの蒸気はそれほど温度が高くないこともあるのですが、炊飯器は高エネルギーで沸騰させますので、炊飯器の蒸気は確実に熱いです。最近の炊飯器は高圧で炊き上げるものもあり、上記が100度を超える場合もあります。
対策としては、「炊飯器を手の届かない高い位置に置く」のと、これも先ほどと同じで、ベビーガードなどで「近寄らせない」ことが大事です。
熱傷パターン③「ヘアアイロン」
お次はママやお姉ちゃんが使うヘアアイロン。
鼻歌など歌いながら楽しそうにマキマキしている姿を見ると、とうぜん小さなコドモも真似したくなりますよね。
でも下の写真を見てみてください↓
コドモが見て、どっちがグリップでどっちがアイロン部分か、瞬時に判断できるでしょうか?
コドモは「面白そう」と思ったら、反射的にそれを握る性質があります。
ヘアアイロンは140〜180度程度で使用するので、確実にやけどしてしまいます。
また、使い終わった後も注意が必要です。
ヘアアイロンは使用後にコンセントから抜いてもしばらくは熱いので、すぐに棚などに収納せず少し冷ましてから片付ける方も多いかと思います。
この時に、手の届かない高い位置に置いていても、抜いた電源コードがブラーンと下に垂れているとコドモは引っ張ってしまいます。
実はこのパターンも診察しているとよく見かけます。
オシャレなママさんは素敵ですが、ヘアアイロンはとても危険なものですので、棚などに収納するまでは絶対に目を離さないようにしましょう!
熱傷パターン④「湯沸かしポット」
最近は24時間ためておくポットよりも、ティファールなどの必要な分だけ沸かすポットが主流になっていますね。
電源さえあればすぐに湧いて非常に便利なので、キッチンだけでなく食卓などに置いて使うケースもあるかと思います。
ですが、電源は大体壁や床にあるので、電源コードを足でひっかけてしまうことがよくあります。
最近は転倒してもこぼれないタイプのものも増えてきましたが、そういうものは逆に注ぎ口の開け閉めに少し手間がかかるので、まだまだ普及が遅れています。
対策としては、小さなコドモがいるご家庭は点灯してもお湯がこぼれないタイプのものを購入するようにしましょう。
熱傷パターン⑤「テーブルクロス」
なぜテーブルクロスでやけど?と思われるかもしれませんね。
これは間接的なやけどですが、つかまり立ちや伝い歩きをしはじめるコドモたちはテーブルクロスがあれば捕まってしまいます。
当然食卓には温かいもの・熱いものが並んでいますので、テーブルクロスに体重をかけて引っ張ってしまうと、それらが一気にコドモの方に落ちてきます。
寒い季節に入るとお鍋や串カツなど食卓で調理するものも増えます。
食卓を彩るためにはテーブルクロスは良いアイテムですが、小さなコドモがいるご家庭では避けた方が良いでしょう。
初期対応
十分注意していても事故は起きるものです。
万が一コドモがやけどしてしまったら、「とにかく冷やす」ことが重要です。
患部の痛みが取れるまで水道水を流しっぱなしにして冷やします。服の上から熱湯などの液体を浴びた場合は、無理に脱がせようとするとやけどを負った皮膚が剥がれてしまうことがあるので、お風呂場などで服の上からシャワーで冷やします。痛みが引いたら、そっと脱がすか、痛がるようであれば服をハサミで切って脱がせてあげるのもよいでしょう。
氷やアイスノンなどを直接患部に当てると冷やしすぎてしまうことがあります。水道が近くにあれば、まずは水道水を使用します。
やけどの面積が狭く、皮膚が少し赤くなっているだけであれば、様子を見ながら通常の診療時間内に形成外科・小児科などに受診しましょう。
救急受診の目安
次の場合は診療時間外や夜間などでも救急受診が必要です。
- 顔面のやけど
- やけどの面積が広い(腕や足がほぼ1本以上。お腹・背中は半分以上)
- 火傷した部分に痛みを感じない。感覚が鈍い。白く色が変化している。
休日や夜間など、受診できる医療機関が自分で見つけられない場合は救急車を呼びましょう。
いかがでしたか?
日常生活のいろんなところにやけどのポイントは潜んでいます。
経験の少ないコドモたちは、その危険を予測できません。
大人がしっかりと対策をとってあげましょうね。
ぜひママ友・パパ友にシェアして教えてあげてほしいと思います。
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