溶連菌感染症とは?
溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)は、主に小児に多くみられる細菌感染症です。
原因となるのは「A群溶血性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)」という細菌で、のどの痛みや発熱などを引き起こします。
特に保育園や幼稚園、小学校など集団生活をしている子どもたちの間で流行しやすいのが特徴です。
主な症状
- 急な発熱(38℃以上になることが多い)
- のどの強い痛み
- のどの赤みや腫れ、白い膿(うみ)が付くことも
- いちご舌(舌が赤くブツブツになる)
- 発疹(体や手足に細かい赤い発疹が出ることがある)
- 頸部リンパ節の腫れや痛み
診断方法
医療機関でのどのぬぐい液を使った迅速検査や、必要に応じて血液検査を行うことで確定します。
迅速検査は数分で結果が出るため、診断がつけばすぐに治療を開始できます。
また、咽頭(のど)の所見が特徴的なので、経験豊富な医師であれば、のどの所見だけで診断をつけることもあります。
治療
溶連菌感染症の治療には、抗生物質(主にペニシリン系やセフェム系)が使われます。
通常、内服を開始して24時間程度で発熱や咽頭痛の症状は改善します。
すぐに症状が改善しますが、途中で中断してしまうと症状が高率に再燃しますので、支持された日数分を最後まで飲み切るようにしましょう。
抗生物質をしっかり飲みきることで合併症の予防にもつながります。
合併症について
溶連菌感染症は、適切に治療しないと「急性腎炎」や「リウマチ熱」などの重い合併症を引き起こすことがあります。
繰り返しになりますが、症状が良くなっても医師の指示通りに薬を飲みきることがとても大切です。
合併症の1つである腎炎(溶連菌感染後急性糸球体腎炎)は、感染後2週間前後に発生することがあり、医療機関によってはその時期に検尿を支持される場合があります。
一昔前は溶連菌に感染したら全員に尿検査を実施していましたが、発症率がかなり低いという論文もあり、無症状であれば検尿は省略して、血尿や顔のむくみなど腎炎を疑う症状が出たときのみ検尿をする医療機関もあります。医療機関によって方針は異なりますので、主治医にご確認ください。
家庭での注意点
- 発熱やのどの痛みが強い場合は、無理をせず安静にしましょう。
- 兄弟姉妹や家族への感染を防ぐため、手洗い・うがいを徹底してください。
- 学校や幼稚園・保育園は、抗生物質を飲み始めて24時間経過し、熱が下がっていれば登校・登園可能となります。
まとめ
溶連菌感染症は、子どもによくみられる病気ですが、適切な治療と家庭でのケアでほとんどの場合は問題なく回復します。のどの痛みや発熱が続く場合は、早めに小児科を受診してください。
「コドモの大学」では、今後も子どもの病気について分かりやすく解説していきます。気になるテーマやご質問があれば、ぜひコメントで教えてください!
※この記事は医療情報の提供を目的としています。診断や治療は必ず医療機関で受けてください。
コメント