CRPってどんな検査?

未分類

最近の小児科クリニックでは必須検査となってきた「白血球数」と「CRP」。

いわゆる「炎症反応」と言われるものです。

小さいお子さんをお持ちの方は、一度は検査を受けたことがあるのではないでしょうか。

「説明を受けたけど、イマイチよくわからなかった。」というお声もいただきますので、今日はその検査について解説してみたいと思います。

CRPとは?

CRPとはCReactive Proteinの略です。

C反応性タンパクと略されますが、余計わかりませんよね(^_^;)

簡単に言うと、体のどこかで感染や炎症が起きた時に、血中で増加するタンパク質です。

この量を測ることで、体のどこかで強い炎症が起きているかどうかがわかります。

体の中で炎症が起きて12時間ほど経過すると上昇し始めます。

正常は 0.3mg/dl 以下です。

CRPはどんな時に増えるの?

CRPはいろんな原因で上がりますが、ひとことで言うと「強い炎症があるとき」です。

小児では感染症で上がる場合が多いですが、成人ではリウマチや免疫の異常など感染症以外であがる場合もあります。

感染症にもウイルスや細菌などいろいろな種類がありますが、細菌感染では上昇し、風邪などのウイルス感染ではあまり上昇しない傾向にあります。

ウイルス感染では3mg/dl程度までは上がりますが、風邪程度のウイルスではそれ以上にはほとんど上がりません。

一方、3mg/dl以上に増加している場合は、細菌感染を疑う必要があります。

肺炎や髄膜炎など強い炎症が起きると10mg/dlを超えることもあります。

ただし、CRPは炎症が始まってすぐは増えませんので、発熱して早いタイミングでは、低かったからといって安心はできません。

白血球とは?

昔、理科で習ったと思いますが、血液の中には、

  • 白血球
  • 赤血球
  • 血小板
  • 血しょう(液体成分)

という成分があります。アニメ「働く細胞」でどれも有名になりましたね。

この白血球というのは、免疫細胞とも呼ばれ、全身の血管の中をパトロールして回っている兵隊のような存在です。

正常値は年齢によって大きく異なりますが、4000〜10000くらいの間であれば、どの年齢でも概ね正常と言えるでしょう。

白血球数はどんな時に増えるの?

危険なバイキンが入ってくると、体は危険信号を発して全身の白血球を総動員して戦います。

正常な数は、1μl(一辺1mmの立方体)の中に6000〜10000個ですが、強い感染や炎症があると数が増えます。

こちらもCRPと同様に、細菌感染では上昇し、ウイルス感染では横ばいか低下することがあります。

小児科ではどんな時に検査するの?

風邪などで高熱が続いている時に、原因が細菌感染なのかウイルス感染なのかを判断する一つのツールとして白血球数とCRPを測定します。

この検査機器がなかった頃は、

「悪化したらいけないので、念のため抗生物質を処方しておきましょう」

と言われて抗生物質を処方されるケースが多かったのですが、最近は耐性菌の発生防止の観点から、不要な抗生物質の処方は控えるようになっています。

この検査機器で、ある程度「ウイルス感染ぽい」ということがわかれば、抗生物質を処方せずに経過を見ることになります。

どうやって検査するの?

最近の白血球&CRPの測定器は小さくなってきたので、卓上に置けるサイズのものが殆どです。

一昔前のちょっと大きめのデスクトップパソコンくらいです。

これにごく少量の血液を流すと、5〜10分程度で結果が印刷されて出てきます。便利になったもんだ。

採血する量はかなり少ないので、血糖値を測るときなんかに使う、指先をパチっと穿刺する器具を使います。

これだと、少し気を逸らしてあげるだけで、痛みは殆ど感じずに採血ができます。どんな処置でも痛みは減らしてあげたいですよね。

検査結果の読み方

お子さんの年齢や炎症の元となる病気によって異なりますが、

  • 白血球数が15000以上
  • CRPが3.0以上
  • に上昇すると、細菌感染である確率が高まります。

ただし、それ以下だと大丈夫ということではないので、油断は禁物です。

高熱が続いていれば当然数値も変化しますので、1度検査して異常がなくても、数日しても解熱しなかったり、急にグッタリしてきた場合などは再受診する必要があります。ここはご注意ください。

最後に

今日は検査について詳しく解説してみました。

でも、検査は検査。

あくまで大事なのは、きちんとした診察とそれに基づく診断です。検査はそのためのツールですので、検査を過信してはいけません。

いくら検査結果が正常範囲でも、全身状態が悪ければ、こまめな受診が必要です。そこはぜひご注意くださいませ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました