みなさん、こんにちは!
理事長ケイジです。
昨日、感染性胃腸炎について解説しました↓
https://coranoba.com/kodomonodaigaku/感染性胃腸炎とは?/
(まだ読んでない人は上のリンクをクリックしてね。)
ひどい胃腸炎だと脱水が進んでしまうこともあるので、脱水予防には適切な水分摂取が欠かせません。
今日はそんな水分摂取の効果的な方法についてお伝えしたいと思います。
いつ飲むか。
一口に「胃腸炎」と言っても、症状は「胃炎」と「腸炎」に分かれます。
一般的には、嘔吐が先に出現し、しばらくして嘔吐が治まってくるころに、下痢がスタートすることが多いです。(場合によっては両者が重なることもあります)
ノロウイルス胃腸炎の初期のように、嘔吐の勢いが強いタイミングでは、いくら飲んでもすぐに嘔吐してしまいます。
嘔吐してしまうと、入れた水分に加えて胃液なども一緒に出てしまうこともあるので、水分バランスとしては却ってマイナスになることがあります。
ですので、嘔吐が治まっていないときは「口を湿らす程度」にスプーンなどで少しずつ与えると良いでしょう。
嘔吐が落ち着いてきて、下痢期に入ったら水分をしっかりと補給することが大切です。
よく、「水分を取ると下痢してしまう」とおっしゃって、水分を控える方がおられるのですが、これは脱水を進めてしまう可能性があるので、むしろ「下痢で出た分は飲んで補う」と考えてください。
何を飲むか。
嘔吐下痢で脱水を起こしている(あるいは起こしかけている)場合、何を飲むかは非常に重要です。
何を飲むかと考えた時に、一般の方が思い浮かべるのは
- スポーツドリンク
- お茶、水
- リンゴジュースなどの果汁飲料
- 味噌汁、スープ
などでしょうか。
どれも明らかに悪いというわけではありませんが、消化管での吸収や、体内での水分保持を考えた場合には、ある程度の塩分が必要になります。
理科などで習った「浸透圧」というやつです。
Na(ナトリウム)が水を引きつける作用がありますので、Naを含まない水を飲んでも、あまり体内に残ってくれません。
また、Na以外にも糖質も必要です。
当分はエネルギーとして活用されるだけでなく、Naを体の中に取り込むのにも働いてくれるので、脱水の治療には欠かせません。
なので、脱水の治療には、「水分」と「塩分」と「糖分」のバランスが重要ということになります。
それを製品としてうまく作ってくれているのが、経口補水液というものなんです。
Oral Rehydration Solutionの頭文字をとって、ORSという呼び方をすることもあります。
商品として売っているのは、所ジョージさんのCMで有名な「OS-1」や、コカコーラ社が出している「アクエリアス経口補水液」などがあります。
便利なんだけど、普通のスポーツドリンクなどよりちょっと高いのが玉にキズ。スポーツドリンクが150円だけど、これらは200円以上します。
さらに、塩分がスポーツドリンクより濃いので、若干塩っぱいので、コドモは嫌がることも多いです。
他の選択肢は?
本来は、経口補水液が吸収されやすいように作られているのでベストなんですが、上にも書いたように、少し味が問題になるケースもあります。
ま、ベストはベストなので、「ベター」な選択肢でも良いと思います。
重症の脱水を起こしていなければ、スポーツドリンクでも飲まないよりはマシですし、大事なのは塩分と糖分なので、果汁とスープなどを交互に飲んだりすることもある程度は有効だと思います。
まあ、胃の中に入ってしまえば、どうせミックスされてしまいますから。
どうしても飲まないときは?
ダラダラと嘔気が続いていたりする場合は、飲ませようと思っても、小さなコドモさんの場合はどうしても飲んでくれないこと、よくあります。
ある程度活気があって、遊ぶ余裕があり、オシッコがある程度出ていれば、無理矢理飲ませる必要はありません。
逆に、活気がなく、放っておくとボーッとしていたり、ウトウトと眠ってしまったりする場合は、脱水や低血糖を起こしている可能性もあります。
そのような状態であれば、速やかに医療機関への受診が必要です。
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