アデノウイルス(総論)

感染症科
ケイジ理事長
ケイジ理事長

アデノウイルスというと、ママ・パパならほぼ全員知っているのではないかというくらい知名度の高いウイルスですね。

・アデノ=高熱

・アデノ=登園停止になる病気

・アデノ=結膜炎

などなど、いろんな印象をお持ちではないでしょうか?

今日はそんなアデノウイルスの実態を解説してみたいと思います。

それでは行ってみましょう!

どんなウイルス?

そもそもウイルスというのはすべて同じですが、遺伝子(設計図)をカプセルで包んだようなシンプルな生き物です。

図:国立感染症研究所、アデノ診断マニュアル

上の図はアデノウイルスの模式図ですが、このようなカプセルの中に遺伝子が入っています。

その遺伝子にはDNA(デオキシリボ核酸)のウイルスと、RNA(リボ核酸)のウイルスがあります。

有名なインフルエンザやコロナウイルスはRNAウイルスで、アデノウイルスや水痘ウイルスなどはDNAウイルスです。

どんな種類があるの?

アデノウイルスには大きく分けるとA〜G種の7つの種があり、その中でも細かくわけると64の型が存在することになっています。

それぞれの種ごとに人体に違った症状を引き起こすことがわかっています。そのグループ分けは下図のとおり。

(表:国立感染症研究所アデノ診断マニュアル)

感染するとどんな症状がでるの?

上の図のように、様々な病気を引き起こすウイルスですので、それぞれの疾患に応じて、嘔吐・下痢や咽頭痛・発熱などの症状が現れます。

どの型にも共通しているのは「発熱」です。

アデノウイルスは人体に強い免疫反応を引き起こすため、発熱する確率は非常に高いウイルスと言えるでしょう。

検査法は?

インフルエンザやコロナの抗原キットと同じ「イムノクロマト法」という検査法で簡単に検査ができます。

(写真:大塚製薬)

こういうキットを使って簡単に検査ができます。

ちなみに検査の実際の手順は下図のような流れです↓

(図:大塚製薬)

他にも、ウイルス分離という方法や、新型コロナで有名になったPCR法などでも検出できますが、どちらも専門的な検査機関でないと難しい検査法です。

アデノウイルスに関しては、イムノクロマト法が非常に優れているので、通常はイムノクロマト法で検査が行われます。

治療法は?

アデノウイルスを直接攻撃するお薬というのは残念ながら存在しません。

しかし、免疫が正常な方であれば、大半のアデノウイルス感染症は自然に治ります。

アデノウイルス感染症は、上に示したように様々な形で症状が出ますが、それぞれの症状を和らげてあげる治療(対症療法といいます)で、自然治癒を待ちます。

ホームケアのポイント

どの疾患になろうとも共通して言えるのは、しっかり休んで安静を保ち、体力の回復に専念することです。

水分や栄養をしっかり摂り、ぐっすり眠れるように環境を整えましょう!

ケイジ理事長
ケイジ理事長

アデノは昔からある感染症ですが、季節やその時々によって、いろんな症状を呈する疾患です。

最近は「謎の急性肝炎」として取り沙汰されるようになりました。

まだまだわかっていないことが多いのかも知れませんね。

今後はアデノウイルスが関連する病気を順番に取り上げていきたいと思います。

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